特定技能制度について簡単に教えてください

特定技能とは何か？
特定技能とは、一定の専門性や技能を持つ外国人が、日本で働くことを目的とした在留資格の一つです。2019年4月に新たに創設されたこの制度は、深刻な人手不足に対応するため、14の特定産業分野で外国人労働者の受け入れを可能にしています。対象分野には、介護、外食業、宿泊業、ビルクリーニング、建設業、農業、漁業、産業機械製造業などがあります。

 

特定技能には2種類ある
特定技能には「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類があります。企業が最初に採用するのは基本的に「特定技能1号」の人材です。これは、一定の試験や技能実習経験を通じて、日本語と職業に関する基礎的な能力を証明した外国人に付与されます。特定技能1号の在留期間は最長5年で、基本的には家族の帯同は認められていません。一方、特定技能2号は、より高度な技能が求められる資格で、在留の更新が可能なうえ、家族帯同も認められています。ただし、2025年現在、特定技能2号が認められている業種は限られています。

 

企業に求められること
特定技能外国人を受け入れるためには、企業がいくつかの要件を満たす必要があります。まず、自社が特定技能の対象となる業種に該当していることが前提です。また、外国人材が円滑に業務を行えるよう、就労環境を整備し、生活支援を行う体制を構築しなければなりません。企業自らが支援体制を整えるか、登録支援機関に外部委託するかのいずれかを選択することになります。

 

特定技能を導入するメリット
企業にとって、特定技能制度を活用する最大のメリットは「即戦力となる外国人材を比較的スムーズに採用できること」です。技能実習制度とは異なり、特定技能人材は業務に対する理解が深く、実務経験や日本語能力を持った人材が多い点が特徴です。採用後すぐに戦力として期待できるため、人手不足で悩む中小企業にとっては大きな助けとなります。

 

今後の展望と注意点
政府は今後、特定技能制度をより柔軟に運用し、対象業種や受け入れ枠の拡大を検討しています。その一方で、不適切な労働環境やサポート体制の不備があれば、受け入れ企業としての資格を失うリスクもあるため、法令遵守や継続的な支援体制の構築が不可欠です。